第14回美人画研究会

2018年4月22日(日)クリエイティブタイプの研究会を開催いたしました。

時間:PM1:00~PM5:00

場所:森下文化センター 創作室

参加費:1,000円 (+モデル代500円)

 

1.「美人画と似顔絵を描き比べてみよう!」(※実際にモデルを描き比べます)

2.「智恵子抄の智恵子を描いて来よう!」(※宿題持参の上、ディスカッション)

 


第1部は美人画研究会メンバーのA氏のお嬢さま美絵さんにモデルをお願いし、美人画と似顔絵を描き比べました。似顔絵は「似顔絵TVチャンピオン」斎藤忍氏のご指導の下、モデルさんの顔から特徴をつかむことに苦心し、美人画に仕上げる時よりも「観察」することに時間をかけました。

●美人画を描く際は、それぞれ自分の「画風」と称して描き慣れた描き方で描いてしまうので、モデルをしっかり観察することなく描きがちです。それに対して似顔絵にする際は、モデルの特徴をしっかり掴もうとして念入りに観察しながら描きます。

●斎藤氏の指導により、「似ている」とほかの人のお墨付きをもらったものを色紙に仕上げることにしました。3人ずつのグループに分かれ、モデルさんの外見の特徴と性格や嗜好を組み入れた似顔絵を描くことに専念しました。

●最後にみんなの似顔絵を並べ、ベスト似顔絵大賞を決めました。


美人画として描いた美絵さん

上から順に:井手清彦、河合直樹、松永伸子、城戸崎雅崇、田中 晃、秋元和夫、林 寛治、相賀由紀子


似顔絵として描いた美絵さん

上から順に:林 寛治(ベスト似顔絵大賞)、城戸崎雅崇、相賀由紀子、秋元和夫、田中 晃、松永伸子、斎藤 忍(似顔絵チャンピオン)、井手清彦(ファーザー賞)、河合直樹


「文学作品に描かれた美人を文字表現から想像して絵に描いてみよう」という企画を第12回研究会より始めましたが、その際に「次は皆で同じ文学作品から描いてきましょう」ということになり、その文学作品が「智恵子抄」です。
 第2部ではそれぞれの描いた智恵子についてディスカッションをいたしましたが、智恵子に対する熱い思いだけでなく、夫である詩人・高村光太郎についてや、光太郎と智恵子の関係についてなどを、事実と想像を取り交ぜながら全員で白熱した議論を交わしました。

智恵子の美人画―それぞれの思いを込めて描きました

●上から3枚:井手清彦 左 東京に空がない「あどけない話」の切ない表情の智恵子、中「レモン哀歌」の正気を取り戻した智恵子、右「千鳥と遊ぶ智恵子」の狂気の姿を表現。

●次の2枚:松永伸子 左 グロキシニアの鉢を持つ、出会いの頃の初々しい智恵子、中 貧しい生活の中で神々しい智恵子。「あなたはだんだん綺麗になる」より

●6枚目:斎藤 忍 切り紙細工をする智恵子―目つきで狂気を表現。(精神病棟の中で)

●7枚目:河合直樹 写真よりリアルに純朴な智恵子を表現。 

●8枚目:秋元和夫 あれが阿多多羅山 と言う智恵子。「樹下の二人」より

●9枚目:田中 晃 桜の季節におでかけする婦人を智恵子のイメージに重ねて。

●10枚目:城戸崎雅崇 智恵子と正反対のイメージを水原希子の顔で描く。

 


●林 寛治さんは、絵を描いてくる代わりに智恵子の本を持参して写真を披露してくださりました。福島県の資産家(酒造業)の長女として裕福に育った智恵子は、お嬢さん育ちだった。日本女子大に通っていたころに油絵を描くようになり、芸術家を目指していた。