第30回美人画研究会・クリエイティブタイプの会

 2023年7月2日(日)13:30~16:30

森下文化センター第2研修室で開催しました。

 

 第30回の美人画研究会では、五感の中の味覚にスポットライトを当て、味を感じる作品について考えました。
 それぞれ自分が味覚を感じる作品を紹介し、その模写やアレンジした作品を持ち寄りプレゼンを行いました。どんなところに味を感じるのか、その味はどんな味だろうか、味を感じさせるための描画の工夫は何か、など興味深い意見交換を行いました。

1、 畑江麻里 江戸の味がテーマの浮世絵

江戸前四天王 うなぎ,寿司,天ぷら,そば

 

 

2. 松永伸子 美味しい顔を考えた時、目を閉じて上を向く,口角上げた顔を想像。その姿をした絵画として,ロセッティのベアタベアトリクスの顔を紹介。

次に村田旭先生のハーベストという作品を紹介。その作品からギリシャ神話に興味を持ち、豊穣の女神セレスが娘のペルセポネを探すという話からヒントを得た絵を描こうと思った。冥界の王ハデスに拐われた事から地底を、そこで食べたザクロの実を、地底でも咲く花リザンテラを、絵の中に描き込むが、食べているところでない美女を書描きたいと思っために、口元に赤い果汁をつけ、甘酸っぱいラズベリーを食べたことを連想させる。

 

 

3.井手晴海 美味しいものとして世界的にみんなが大好きチュッパチャップスを取り上げる

チュッパチャプスのロゴのデザインは,スペインの画家ダリが作成。チュッパチャプスが如何に人気があるかを動画で紹介。

美味しい味のものとして,対極にあるタバコを取り上げ,その中でもハイライトを選ぶ。ハイライトはデザイン的にも素敵で,漫画などにも頻繁に登場。味はラム酒のテーストのため,お酒と似合う

 

 

4.城戸崎雅崇

自分はお酒が好きなので,美味しいものとしてお酒をテーマに考えた。マリリンモンローが、映画「帰らざる河」で酒場の女性を演じていたので、バーボンウイスキー,ワイルドターキーのポスターを背景に描く。他にマネの,酒場のバーカウンターの前にいる女性の絵「フォリーベルジュール」,フェルメールの「紳士とワインを飲む女」の絵を紹介。

 

5.東観崎繚

日本画 小倉遊亀の「婦女」という作品の顔が,とてもおいしさを感じさせる上品な顔をしていたので,その作品を紹介し,現代風にアレンジした作品を描いてきた。着物を洋服にし,食べ物をきびだんごにした。ハッピーな表情を描きたいと思ったが、色合いや画面の美しさなど,なかなか上手く表現できなかった。

 

 

6.吉村眞由美

食べている瞬間の絵を描こうと思い,色々探したがなかなか大人の女性のものが見つからなかった。時期的にスイカを食べているところを書きたいと思った。

似顔絵教室では、美味しく食べている表情は

1.目を逸らす,2.口を尖らす、3.前のめりになる、4.7肩をすくめる、と教えているので、それを取り入れて描いてきた。

 

 

7.河合直樹

味覚を感じる絵として,カラバッジオのバッカスを紹介。他にマチスの赤い食卓など。

味覚の絵画的表現を探究し、自分なりに考えたものが適当であるか判断する手段として、感性学会のまとめた表を参照する。甘味は形では丸,色は赤、塩味は何々,など,自分の思ったものと大体合っていた。そこで三人の女性の絵の口元に,甘味、辛味、酸味を表現して描いた。

 

 

8.斎藤忍

キティペリーのイラストで、目を口,口を目にしたもの,口から手を出しているものなどを紹介。

どんな味がするでしょうか,という問いを投げかける。

女優の鼻を蝶の触覚にし、それを舐めている舌を描いた。どんな味がするかを考えさせる。

 

 

9.成瀬康人

岡田健三の絵画「婦人像」を持参して紹介。

自分はその絵を見て,食欲をそそられるイメージを持った。涼しげな感じと幾何学的な形が食欲を感じさせるそうだ。

他に海老原喜之助の,秋刀魚を頭の上に乗せた絵を紹介。こちらの方が,参加者には美味しそうに感じられた。

自身は絵ではなく陶芸作品に取り組んでいるので、

味覚を感じるような女性を陶器の小作品に製作して持参された。

 

 

10.麻生りり子

味覚を感じる能面作品を持参された。、

おいしい!と言っているような翁の面。

辛い!!と言っているような閻魔大王。

酸っぱい!!といっているような 猿とび出

食べ物を味わっているような,盲目の女性の面

 

 

11.小山えりこ

自身のiPhoneで以前描いたイラストを持参。オムライスを食べている美味しそうな子供の絵。