第32回 美人画研究会© 

 日時:2024331() 13301700

 会場:江東区森下文化センター研修室

テーマ: 縄文顔と弥生顔の比較

美人画研究会クリエイティブタイプの研究会。テーマは「縄文顔と弥生顔の比較」でした。

 

 前半の研究発表では、能面作家・麻生りり子氏の「能面は意外と縄文顔」とクリエイティブ・メンバー・松永伸子の「姉妹は妹の顔の縄文度が高い?」の2本立てでした。③の発表は、鈴木氏が体調不良のため中止となりました。

 弥生顔だと思われる能面ですが、代表的な小面の面を良く見ると、目、鼻、歯の嚙み合わせ、顔幅などが縄文顔の特徴と意外にも共通しているようである点を指摘され、その理由を能面作家ならではの視点で仮説を立てて解説されました。大変興味深い考察でした。

 松永は本人と姉の顔や体質の違いを縄文系、弥生系と分類していましたが、WEB上のAI 診断でも90%超の確率で縄文顔・弥生顔と判定され、芸能界の女優姉妹など10組を調べました。その結果、妹の縄文度の割合がかなりの確率で高くAI判定されました。それぞれの平均顔から顔パーツの配置や顔幅を割り出したところ、先行研究で分かっている顔パーツの特徴・配置と一致しました。
 AIが何を基準に判定しているのかを鈴木先生に解説してもらう予定でしたが、欠席で残念でした。


 今回は顔学会よりこの研究の第一人者である人類学者の馬場悠男先生がご参加くださり、30年前にNewton1月号に発表した「未来人の顔がこうなる」の記事の中で「縄文顔・弥生顔」の定義を解説されたことがこの分類の始まりで語源だということを教えてくださいました。馬場先生は参加者の皆さんの質問攻めにも快く応じてくださり、大変勉強になる研究会になりました。

 

 後半の作品発表では、クリエイティブメンバーがそれぞれの考える「縄文外と弥生顔」を美人画に仕上げたものをプレゼンしました。

 顔相鑑定士の池袋絵意知さんに選定してもらった現代の縄文美人と弥生美人をパステルで仕上げた城戸崎雅崇さん。アニメのもののけ姫とメイテルを比較して描き分けた井手晴海さん。縄文時代と弥生時代に思いを馳せて、その時代の美人はきっとこうだっただろうという想像を膨らませて描き分けた河合直樹さん、東観崎繚さん、斎藤忍さん。現代女性の縄文顔・弥生顔を描き分けた宇田川のり子さん(似顔絵)と松永伸子。ご自身で掘った能面の小面と男性の面を持参されて比較して見せてくれた麻生りり子さん。様々な作品を見せてもらい、縄文顔と弥生顔の比較が楽しくできました。   松永伸子